【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第2章 DAY1 【ランスロット・キングスレー】
そうやってしばらく公園のベンチに座っていると、小さな男の子が何度か目の前を通り過ぎていることに気づく。
男の子は一人で、周りを見渡しても母親らしき姿は無い。
(あれ…どうしたのかな…)
レイアは気になって男の子を伺い見る。
男の子は前を通り過ぎる度に表情が曇っていき、今にも泣きそうになっていた。
「ランスロット様、ちょっと失礼しますね」
レイアはそう言って立ち上がると、男の子の方へと歩み寄った。
「こんにちは。お母さんはどこにいるのかな?」
レイアがしゃがみこんで話しかけると、男の子は堰を切ったように泣き始めた。
「うぅ…っ……お母さん、いなくなっちゃったよぉ……」
(やっぱり迷子か…)
「大丈夫だよ、お姉さんが探すの手伝ってあげるね」
レイアは泣きじゃくる男の子の背中をトントン、と優しく撫でた。
「とりあえず、あっちに座ろっか」
レイアは元いたベンチに男の子を促す。
「……うっ…うっ……」
「どうした」
ランスロットはレイアに尋ねる。
「迷子みたいです、お母さんとはぐれてしまったみたいで」
「そうか……」
ランスロットは複雑な表情を浮かべながら伏せ目がちに男の子を見つめた。
「えっと…最後にお母さんを見たのはいつかな?」
「…ぅ……えっと…お店屋さん…」
「何屋さんか覚えてる?」
「風船…」
「えっ?」
(風船を売っているお店は今セントラルには…)
レイアはランスロットを見上げるが、彼も首を横に振る。
「風船以外に何か売ってたかな?」
「わかんない……お母さん、お店の人とお話してて、つまんないから遊んでて…そしたらわかんなくなっちゃって…」
「そっか。じゃあ一緒にどのお店か探しに行こうか!」
「うん……いいの?お姉ちゃん」
「もちろん」
そう答えてはっとなり、レイアはランスロットを見上げる。
「構わん」
そう言って頷いた。