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【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】

第2章 DAY1 【ランスロット・キングスレー】




厨房を借りて簡単な朝食を作ったレイアは、ランスロットの執務室へワゴンを押していった。


「失礼します」


ランスロットはいつも通り、真剣なまなざしで執務机で書き物をしていた。



「ランスロット様…朝食、作ってきました」


「こっちに来い、アリス」


言われるがままワゴンを押していく。



「すみません、簡単なものしか用意できなくて…」


ワゴンの上にはじゃがいものポタージュ、オムレツ、パンが乗っていた。


「十分だ、礼を言う」

ランスロットは自分の後ろにあった椅子をレイアに勧めて、二人でワゴンを囲み食事を取った。




「ヨナに手料理を振舞うことはあるのか」

「えっ?……そうですね、たまには…」

「そうか」


(……口に合わなかったのかなぁ)


少し心配になりレイアはランスロットの顔をのぞき見る。



「ん、どうした」


「あ、いえ……お口に合わなかったのか、と」


「そのようなことはない」



あいかわらず感情の読めない顔で、ランスロットは食事を続けた。


「ランスロット様、食事の後は紅茶を淹れますか?」

「そうだな、頼めるか」

「はい、もちろんです」


空っぽになった食器を乗せたワゴンを、レイアは再び押して部屋を去ろうとすると



「アリス」


「はい」


ランスロットが呼び止める。



「……ヨナは幸せ者だな」


「えっ……」

(どういう意味だろう)


言葉の意図を図りかねてレイアが首をかしげていると


「……夫婦になれば、このような朝食が毎朝食べられるのだからな」


ランスロットが僅かに笑みを滲ませてそう続けた。


それが最大の賛辞であることを理解したレイアは、満面の笑みで深々とお辞儀をした。







レイアが淹れた食後の紅茶を飲みながらランスロットは事務仕事を続け、その後セントラルの公会堂で行われる会議に出席することになった。


ランスロットが女性を連れていることに最初は驚いた様子の官僚たちだったが、別段言及することもなく、レイアは大人しくそばに控えながら会議を見守っていた。




そして正午を回った頃……。



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