【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第14章 DAY7【シリウス・オズワルド】
「はぁーいお・ま・た・せ!!怪力セスがお手伝いに来たわよ~~!」
「セ、セスさんだったの?!」
荷馬車を止めて降りてきたセスはすぐさまレイアに抱きつく。
「やーーーん!アリスちゃんずっと頑張って働いてたのぉ?えらいわぁ!!オッサンにこき使われて大変だったでしょう?」
「おい」
「さぁてと?どれを運べばいいのかしらん??」
シリウスのつっこみはあっさり流し、セスは店裏へと足を向ける。
「これ、全部運ぶみたいで…」
「あっらー沢山あるのね…でもこのおセスが来たからにはもう安心よ?アリスちゃんはあそこでゆっくり座って積み終わるの待ってて頂戴?」
「えっ!だめです、そんなわけには」
「いーのいーの、アタシとシリウスがいれば5分で終わるわ?ね?」
後ろからやって来たシリウスもうなづく。
「よし、じゃあさっさとやるか。頼むぞ、セス」
「はいはーい!」
セスは「怪力」というだけあって、並んでいた鉢植え類をあっという間に荷馬車に積んでしまった。
「すご……!」
「ふふふ……アタシの手にかかればこんなの朝飯前よ?さ、配達もお手伝いするから一緒に行きましょー?」
午後から非番になったセスと共に三人は黒の領地の各方面へと花の配達に回った。
学校、個人宅、商店、飲食店……様々な場所を回り、全ての配達を終えた頃にはもう日が落ちかかっていた。
「はぁー……ちょっと、シリウス。あんたの実家、繁盛しすぎよ……全く…」
「悪いな、セス、助かった。今日は特に注文が多かったみたいでな。お嬢ちゃんと二人だったら日が暮れてたな」
「その通りです。セスさん、ほんとにありがとうございます」
「いいのよ。ほら、もう遅くなっちゃうからセントラルに行って美味しいご飯でも食べてきなさい?丸一日店番デートなんてシケた過ごし方やめてよね??」
セスが肘でシリウスを小突く。
「その通りだな…悪い、お嬢ちゃん。手伝ってくれた御礼もかねて、今日は好きなモン食いに行こう」
「いいんですか?やった!」
(正直おなかがぺっこぺこだったんだよね!!)
兵舎に戻るというセスとはそこで別れ、レイアはシリウスと共にセントラルへと向かっていった。