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【YOI・男主人公】小話集【短編オムニバス】

第1章 僕と勇利、時々『デコ』


『正しき酔っ払いの嗜み』

かつての同期の酒癖の悪さを、はじめは信じられない思いでいた純だったが、とある酒の席でヴィクトルから見せられた例のバンケットの画像に、一瞬言葉を失う。
「ふふーん。これが、俺と勇利の馴れ初めとも言うべき熱い夜。もう、ネクタイ頭に巻いた勇利が可笑しくって♪」
「ちょっと、ヴィクトル!純にそんなの見せないでよ!」
「……あかんで、勇利。君一体何しとんねん」
「ぅ、だからこの時はシャンパン飲みすぎちゃっただけで、普段はお酒控えてるから…」
「頭にネクタイ巻いておきながら、何で赤鉛筆と競馬新聞持ってへんねん!?」
「…はい?」
「あ、いつの間にか俺の持って来た『ボンベイサファイヤ』空になってる」
一見ほろ酔い加減な純の黒い双眸が怪しげにすわっているのを、勇利はおののきながら見返す。
「ええか、酔っ払いの正装は頭にネクタイ時は耳に赤鉛筆と競馬新聞にワンカップ、もしくは折り詰めに千鳥足かましながら、足元には電柱と骨加えた犬のオプション付きが定説や!中途半端なスタイルで、舐めた真似しとったらあかんで!」
「え?え?何で僕、こんな斜め上の方向で怒られてるの?っていうか、純って実は酔うと説教魔!?」
「ワォ、ニッポンの酔っ払いスタイル面白そう!じゃあ俺、ちょっとコンビニ行って競馬新聞とワンカップ買ってくるね♪」
「ちょお待て『デコ』、TaKa○a以外のワンカップは認めへんからな!」
「ええ、ワンカップは○関が鉄板…じゃなくて、ヴィクトルも何やってるのー!」

後日、ヴィクトルのインスタに飾られた画像を見たユーリ・プリセツキーは、渋面を作りながら「日本式酔っ払いバカ3人」とリグラムしていた。


※主人公がTa○aRaに拘るのは、地元京都のメーカーだからです。
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