第1章 出会いとそれと
「……」
霧隠が飛び出していき、時間が経った。
すっかり辺りは日が落ち、空も朽葉色に染まる。
…まさか、
自己中心的な一面があることは前々から承知していたが、まさか修行を投げ出すとは。
……キャプテンだからだと、少し買い被って奴を見ていた私にも少なからず非があるのだろうか
しかし、なんであれキャプテンである霧隠がいなくて、チームがどうして纏まるといえようか。
暗い先行きに、思わずため息が零れる。
今日だけで、霧隠のやつに随分と心労を酷くさせられている気がする
このまま霧隠が戻ってこなかったら、それこそ修行どころじゃな……
born!!!
「よ、風魔。」
「…
霧隠?」
唐突すぎる爆発音に、思わずつむった目を開ければそこにいたのは、我がキャプテン霧隠才次だった。
白く漂う煙の中から現れた霧隠は私の先程の憂鬱などいざ知らず、にや、と含み笑いをしてみせる
…帰ってきて安堵したと同時に、こいつを一発しばかなくては収まらない程度の苛立ちが急激に沸き上がってきた。