第1章 出会いとそれと
「霧隠お前……
なんだ、こいつは。」
「何だも何も、話の流れで読めないのか?」
「あぁ、生憎様、見当がつかないな。」
「へーへ、んじゃいいぜ教えてやるよ。
こいつ、俺の式神の月。さっき山で拾ったんだぜ」
「は?」
「はい、えっと霧隠才次く…ご主人様の式神として仕えております、
種族は犬神と申します」
「…なっ!?犬神だと?!」
「おいおい月。
お前にはちゃんと、俺に貰った名前があるだろ?」
「あっ、そうでした。
改めて。種族は犬神、名を月と申します。式神としてどうぞよしなに」
「…。霧隠お前」
「これで文句はないはずだぜ?修行の目的は、達成出来たんだからな。」
「ああ、口出しすることはない…が
…霧隠、お前はアレを一体どこで拾ってきた?」
「あん?だからさっきも言っただろう。
こっから少し離れた山だよ、そこでばったり会って、」
「……腑に落ちない
短期間であれ程の高等レベルの妖怪を手懐けるなど、一体何があったというのだ。
そもそもあれは…」
「……なあおい、風魔、」