第8章 ☆彡紅桜
神楽と定春は、桂の血の匂いを辿って
ひなびた海岸に停泊しているボロボロの大きなある船に行き着いた。
その船へ向かう浪人達の会話から、
この船と桂を斬った辻斬りに何か関係があることは明白だった為
神楽は地図を定春に持たせて銀ちゃんへと知らせに走り
自分一人で船へと乗り込んで行った。
その神楽の様子をうかがう、怪しい人影がいることに、神楽は気付かないまま船へと乗り込んだ。
神楽が船に乗り込むと、船のきっさきに
一人の男が立って煙管をふかせていた。
その男は満月の月に向かって独り言を喋っていた。
「あの人もさぞやがっかりしているだろうよ。かつて共に闘った盟友達が、揃いも揃ってこの様だ。
アンタ達のような弱い侍のために、この国は腐敗した。
アンタではなく、俺があの人の隣にいれば、この国はこんな有様にはならなかった。」
神楽は、この男を脅迫して船の中を案内させようとしたが、
振り返ったその男の目を見て、この男が相当やばい事をその本能で悟った。
だが神楽に牙をむいたのは、男の部下の女
〝来島また子〟だった。
また子を蹴り飛ばした神楽だったが、敵の船上で袋のネズミだった。
武市先輩と呼ばれるロリコン侍が、
神楽を殺すなと命じると、神楽の肩や足に銃弾が撃ち込まれた。
だが、地球人よりも丈夫な体と根性を持つ
戦闘部族『夜兎』の血を持つ神楽は、撃たれてもなお
立ち上がった。桂が待っているはずだから。
だが、船内に入った神楽は、そこにあった〝もの〟に思わず目を見張り、足を止めた。
また子「そいつを見ちゃあ、もう生かして帰せないな」
と銃の引き金をひいた。
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