第11章 ☆彡.。そういう時男は黙って赤飯
勝利の喜びに沸く近藤や神楽をよそに、
沖田「また敵が増えちまったぜェ」
「あはは、よし、帰ろー。」
沖田「…なんでィ、肩貸してくれるのか?
珍しく優しいじゃねェですか」
「じゃ、副長に貸してくるから1人で帰ってよ」
沖田「冗談でさァ」
銀時は溜息を一つついて一人うかぬ顔で帰路についた。
その銀時の前に、うなだれたお妙が立っていた。
その顔にいつもの笑顔はない。
銀時「男だ、女だ責めるつもりはねーよ。
だがアイツは知ってたはずだ。
お前がどんなつもりで自分の左目になろうとしていたか。
お前は知っていたはずだ。
そんなもん背負ってアイツの所へ行ったところで、何も解決しない事ぐらい。
お前らは知ってたはずだ。
こんな事しても、誰も幸せにはなれねぇ事くらい。」
お妙「…ごめん…なさい」
銀時「謝る必要なんてねーよ、だれも。みんな
自分の護りたいもの護ろうとしただけ、それだけだ」
と言い残して帰って行った。
お妙と九兵衛は、そこから動けないでいた。
九兵衛「知ってたはずだ…あの男の言う通りだ
僕はみんな知っていた
父上やおじい様が僕を護らんとして、男として育てたことも知ってる、でもどこかで恨んでた。
僕がこうなったのは誰のせいでもない自分自身の弱さのせいなのに、勝手なマネをして君に重い枷をつけ、君の想いを知りつつ見て見ぬふりをした、それでも君が僕を護ろうとしていたことも・・・みんな僕を護ろうとしてくれた。結局僕はみんなに護られてばかりで前と変わらない。約束なんて何にも果たせちゃ居なかったんだ僕は…弱い。
妙ちゃん。なんでこんな風になっちゃったんだろ
僕もホントはみんなと一緒にキレイな着物を来て町を歩きたかった。妙ちゃんみたいに、強くて優しい女の子になりたかった…」
お妙「九ちゃんは男も女も関係ない
私の大切な親友。だから…泣かないで、それでもお侍さん…?」
と言ってポロポロと涙をこぼした
その涙は膝の九兵衛の頬を伝い、九兵衛の目にも涙がにじんだ。
九兵衛「妙ちゃん…ごめんなさい」
お妙「でも今日ぐらい泣いたっていいよ…女の子だもの…」
と、二人は抱きしめあって涙を流した。
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