第3章 昔のアタシ
「私も反対したのだが……皆真面目に向き合って考えた結果そうなってしまった……」
「……ううん、センゴクには沢山助けられてるから批判なんて出来ないよ。……ありがとう」
俯き次の私の歴史を考えた。
処刑される……今度はもう海軍向かうことすら絶対にしてはならないことになるのだろうか
生きるために思い出も消える__
「……だが得れたものもある」
「え?」
思いふけっているとセンゴクがそう答えた
得れたもの……?
「私がいう決まってしまったのはハナ……お前が何もなしに処刑されないことだ。
__条件付きではお前は生きることが出来る」
「条件……?私は生きてもいいの?」
「……あぁ」
センゴクは優しく微笑んでくれた。
私は生きてもいい、生きたって批判されない!それだけでとても嬉しい!
ハナは身を乗り出して嬉しそうにする
「ねぇ条件ってなに!?私なんでもする!生きてもいいのなら……何だってするよ!センゴク!」
「……その、条件は」
生きてもいいなんて嬉しくて堪らない。
だがその条件は私には随分重たかった。
「__ハナ、お前の記憶から歴史を消さねばならない」
「え……」
ワクワクしていたハナの手が止まった。
歴史?記憶……?どういうこと?
「政府として能力がたとえ恐ろしいものであったとしても、人を……お前を酷い目に合わせたのは謝罪する。
だがこちらとしての面子上、そのまま生かすわけにはいかないんだ。」
「……そう」
少し納得出来ないけれど政府側の言い分も一理ある。
だって私は海賊や賞金稼ぎとは危険度のレベルが違いすぎる
記憶……何を私から消すのだろう。
震えながら聞いた
「……私のどの記憶を消すの?」
「……お前の故郷について、いや、
お前が産まれてから海軍に来るまでの歴史をハナの記憶から消してほしい。」
「つまり……私が知っていては困ることを消せと?」
「……そうなる」
謝罪と言いながら、
結局都合の悪いところを全て処理しようとしてるの?
私は傷ついてボロボロになってまで命令をきいたのに?!
怒りが込み上げてきたが、センゴクは申し訳なさそうに、悔しそうにしている
恩人のそんな姿をみて怒鳴りなんて出来るわけなく、ハナはぐっと堪えた。