第3章 昔のアタシ
少し気まづそうにセンゴクは答えた
「(あぁ多分、いややっぱり)」
死刑が決まったんだろう。
そう直感した
「……付いてこい、ハナ」
「うん」
大人しくハナはセンゴクについていくことにした
まずは多分事情聴取だろうか
何はともあれセンゴクも恩人。
彼を困らせていいことなんてないだろう
気づけばもうセンゴクの部屋についていた
成程センゴクは2人だけで話しが出来るようにしてくれたのか。
「ハナ、そこに座れ」
「あ、うん」
センゴクが示してくれたソファーに座る
向かいのソファーにセンゴクが座った
「ねぇセンゴク、一つだけ聞いていい?」
「?なんだ」
「噂でセンゴクは任務に私情を持ち込まないと聞いた。
でも今回私情を持ち込んでないようには見えなかった
どうして?」
「……何処でそんな噂を聞いた」
「最初の頃は島を消したら暫く暇だからいろんな人の歴史を見漁ってた、それで何人か海兵から」
「……そうか」
センゴクはふっとため息をついてから真っ直ぐ私を見た
「その私情……等はなんとも言えないが、私として市民を守るべき義務がこちらにありながら島の住人丸ごと消すなど……
いくら政府の任務であれ許せなかった……それだけだ」
「……義務ね」
__つまり罪悪感が勝ったのか
だから何としてでも私から脅された内容を聞き出して、中止させようとした
だが私が歴史を教えたことにより確信をもて一応はらせていた青キジが倒し……事が上手く進んだと
「……センゴクの心情が知りたかっただけ。ありがとう」
「疑心暗鬼になるのも無理はない、大丈夫だ。
……本題に戻すぞ」
「うん、で……私に何を聞きたいの?歴史を見たはずだからだいたいはわかるでしょ?」
「いや……聞きたいことはないんだ」
「?あ、じゃ……やっぱり処刑……」
「……残念ながらその話になる」
優しかったセンゴクが急に固い表情になった
なんだか一人ぼっちになった気分になる
春に浮かれたキリギリスが冬の訪れを感じたように
母親に甘え続けた赤子が母に突き飛ばされるように
「……やっぱり、私は生きるのは…」
「……本当の上からの命令でお前を処刑するという話になった」
「許されないんだ……ね」
拒絶したかった命令、だけど恩人にそう言われちゃ断れない。断りたくない。