第3章 昔のアタシ
「……そうか」
センゴクさんは最近調子が悪い
守りたいものを守るためなったのに、それどころか脅かす立場に立つからだろう。
「無理に島が滅ぶところを見なくたって貴方には……」
「……せめて出来ることを私はしたいんだ」
彼の 正義 はやはり凄い
俺には到底抱えきれない 正義 だ。
「そうですか……」
「しかし、彼女も素直になってくれれば……」
「……どういう意味で?」
センゴクさんの漏らした言葉に気になり、つい聞いてしまった
内心ビクビクしていたが、センゴクさんは答えてくれた
「……彼女はどういう経緯で連れてこられ、誰とどう契約しているのか上は何も教えてくれないんだ。」
「……同意の上ではないと」
「ああ」
センゴクさんがいうには、ハナは突然 海軍本部に連れてこられた。センゴクが何度上に聞いても
能力の詳細、年齢性別……
あと彼女を使う理由
それだけしか教えて貰えなかったらしい。
彼女を使う作戦や怪しさといい、直ぐに裏があるとみたセンゴクはハナに何があったのか問い詰めた。
だが彼女は何度問うても、アタシには関係ない とばかり言い続ける。
「彼女が言ってくれさえすれば、私は何とか彼女を解放することが出来るというのに……!」
「証言……ですか」
一刻も早く辞めさせたい……無念だろうに。
「……なぁクザン、もし彼女に接触出来れば」
「話を聞け、ですね。
センゴクさんの頼みならします。……成果は期待出来ませんが」
「……頼む」
センゴクはため息一つつき、自分の在るべき場所へ戻っていった。
「(全く……アイツは異質すぎる)」
クザンはすっとハナのいる部屋を見た
微かにドアが動いた気がした。
「アンタがもし今の話を聞いてんなら……ちょっとは素直になったらどうよ」
誰にも聞こえていないであろう呟きをクザンは残し、彼もまた在るべき場所へ向かった。
…
……今日も海は青いまま、変わらない。
唯一変わったとすれば、また地図から島が消えただけだ。
「それだけ……だった」
ハナはいつもと違う 日常 を思い出しては潰した。
何故、センゴクは私を助けようとするのだろう。
「……意味がわからないよ」