第16章 海常と誠凛と秀徳と
視点がコロコロ変わります。
縁side
和成君が焼いたお好み焼きは、案外美味しかった。
第二弾を焼こうとしている和成君を見ていると、なんかこっちのほうが本職なんじゃないかって思えるくらい。
高「よ…ほいっと」
ジュッ
蒼「わっ…やっぱり危なっかしいよ、それ。普通にひっくり返しなよ…」
蒼依にちょっと賛成。
「ねえ、あなた達」
相田さんに呼ばれ、私達は振り向いた。
相田さんは声を潜めて、
リ「もしかして…高尾君や緑間君と付き合ってる?」
蒼縁「げっほ!!な、何をいきなり!?」
リ「なんとなくそんな感じがしたのよね~」
そんなわかりやすいワケ…?
高「焼けたぜ☆」
蒼依、縁side
高尾君/和成君
ナイスタイミング!!
縁side
和成君がまたひっくり返そうとした時。
「よ…うわっ」
生地は宙を舞って飛んでいった。
蒼依、縁side
ヤバい!!この距離と方向は!!
グシャッ
蒼依side
生地は宙を舞い、見事真太郎の頭にクリーンヒットした。
瞬足で受け止めようにも、あまりにいきなりの事件に、体が動かなかった。
緑「………」
あ…ヤバい。
怒ってる…。
緑「高尾。ちょっと来い」
高「あは、真ちゃんごめん、ごめんって『ドゴッ』うぎゃはああああ!!」
ご愁傷様、高尾君…。
蒼縁「恐れていたことが…」
真太郎が戻ってきた。
荷物を取りにきたらしい。
私達も帰る支度をして、1500円ずつ置いて店を出た。
高尾君はもう自転車に乗っていた。
高「今日はじゃんけん無しでもいいぜ」
真太郎はふっと笑うとリヤカーに乗り込んだ。
高「ほら、お2人さんも早く」
縁「じゃあ蒼依ね!!」
縁に無理やりリヤカーに乗せられた。
いつものことだけどね。
高「真ちゃん、その代わり、お前のそのラッキーアイテム」
緑「ああ、次は抜からないのだよ。今度はもっと大きい信楽焼を買うのだから」
高「サイズの話じゃねぇよ!!」