第18章 発作
蒼依side
合宿終了日。
高「合宿終わりかぁ~…」
蒼「なんだかんだで充実してたんじゃないかな?」
縁「誠凛と重なったのはびっくりだったけどね」
緑「……っ!!」
蒼「ハイハイ、思い出して怒らない。真太郎も、いつもみたいに人事を尽くしたんでしょ?」
緑「……当然なのだよ」
この頃、真太郎をなだめるコツをつかんできた。
あ、そう言えば…
蒼「縁。明日…」
縁「…うん」
高「ん?」
縁「心臓の定期検査。半年に一回、ね」
この頃忘れてたけど、縁は……。
高「そうか…」
縁「大丈夫だよ、和成君」
縁は笑って言った。
…この笑顔。
私がずっと前から好きだった顔だ。
顔がそっくりでも、私にはこの笑顔はできなかった。
ぬけるような、底抜けに幸せそうな、この笑顔は。
縁が、幸せと感じてくれているなら、私はそれでいい。
あと一年も笑顔の縁と一緒にいられる。
幸せだ。
そう思っていた。