第16章 海常と誠凛と秀徳と
蒼依side
待った!!なにそれ!?
誠凛の女監督、相田リコさんもうなずいた。
リ「確かにそうね。試合では気付かなかったけど」
待った待った待った待った!!
お願いだから髪と瞳については触れないで!!
そんなときだったから、高尾君の一言は天の救いだった。
高「縁ちゃん、蒼依ちゃん。もう少しで焼けるぜ」
私達が振り返った時、ちょうど高尾君が生地をひっくり返した。
それも、放り投げて。
ジュッ
蒼縁「ひゃぁっ!!」
笠「お前、そんなことして大丈夫なのか?」
高「大丈夫っすよ~」
縁「びっくりしたぁ~…」
蒼「無茶して生地バラバラにしないでね?」
高「わかってるよ~、大丈夫だって~」
縁「別に生地がバラバラなるくらいならいいけど、火傷とかしないようにね」
も~、高尾君loveなんだから。
笠松さんはさっきから私達とは全然しゃべらない。
蒼「笠松さん」
笠「お、おう?なななんだ」
どもってるうえ目も合わせない。
人見知りしたときの縁みたい。
でも笠松さんは初対面の高尾君と普通に話してる。
要するに女子が苦手なんだね。
蒼「海常ってどんな練習してるんですか?」
笠「なっ、た、他校の奴に、い、言えるわけねーだろ!」
縁「…やっぱり軒並み高いなぁ」
縁め、こっそり身体能力見てる。
高「焼けたぜお2人さん☆」
高尾君がまた放り投げてひっくり返した。
…いつ見ても怖い。
けど生地はバラバラにはならずに、形状を保った。
手際良く切り分けていく。
高「んじゃいっただっきまーす」
高尾君につられて私達も一口食べた。
蒼「…結構イケる」
縁「…意外に美味しい」
厚さも固さもなかなかいい。
笠松さんもさりげなくうなずいてるし。
蒼「高尾君、意外とやるね」
高「意外とってヒド!!でも喜んでもらえたなら上出来かな☆」
少食な縁も今回はきっちり完食してる。
高「んじゃ次いくぜー」
第二弾もあるのか…。
食べられるかな?