第15章 秀徳 対 誠凛
縁side
……………。
何も考えられなかった。
目を閉じ、気持ちを整えようとしても、何も変わらなかった。
私のせいだ。
私がもっと早く黒子君の狙いに気付いていれば……。
私の「目」なんて何の意味も無いじゃない。
私がもっと集中していれば、和成君の視野が狭まってることに、もっと早く気付けたはず…。もっと集中さえしていれば…。
情けない…!!私のせいだ…!!
縁「…………っ」
高「……縁ちゃん」
縁「…え…?」
高「…縁ちゃんのせいじゃないぜ」
縁「…なっ…!?」
高「縁ちゃんはすごく頑張ってくれた。オレも油断してたんだ」
違う……っ!!
和…成君は…悪く…ない…っ。
私が…私が…!!
ふわり
縁「…!!和…成…君…?」
高「あんまり自分を責めんなよ。そんなに責めると身も心も持たないぜ」
和成君の腕が回っている。
縁「私…私が…!!」
高「気持ち、押さえなくていいんだぜ?」
なんで…なんで泣かないの…?
負けて1番悔しいのは選手として出ていた和成君のはずなのに…。
ポロポロ
なんで私が…っ
泣いてるの…!!
……泣き虫だな…私…。
縁「ごめん…なさい…」
それだけ言った。
否。
それしか言えなかった。