第15章 秀徳 対 誠凛
蒼依side
「試合終了~!!」
終わった……!!
さて結果は…。
あ、こっちじゃないよ。私達は勝つに決まってる(by真太郎)から。
誠凜対正邦…
勝ったのは………
「………誠凜が勝ったーーー!!」
誠凜だ!!
ホントに勝った…。
縁「…誠凜…やっぱりあの2人組…」
隣で縁がつぶやいた。
高「お~い、お2人さん?何やってんの?もうみんな行っちゃったぜ~」
蒼縁「あ、うん」
更衣室へと戻ると、既に監督の話が始まっていた。
みんな真剣に聞いてるのに、真太郎は…。
監督に見向きもせずに爪の手入れ中…。
監督の話が終わると、みんな部屋を出て行き、私と縁、高尾君と真太郎だけになった。
高「真ちゃんさっきからなにしてんの?監督の話も聞かないで」
緑「爪の手入れだ。オレのシュートは、爪の引っかかり方がキモなのだよ」
蒼「それはわかってるよ。わかってるけど…。監督は戦略を言ってくれてるんだから聞かないと…」
私が諭すと、真太郎は立ち上がってこっちを見た。
緑「さっきも言っただろう。心配する必要はないのだよ。勝つのは我々なのだから」
蒼「あ…う、うん…」
緑色の目でじっと見つめられ、思わず目を逸らす。
ふわっ
え…っ
背中に真太郎の手が回っている。
顔が火照るのがはっきりわかる。
緑「心配するな。必ず勝つ」
蒼「………うん」
恥ずかしかったけど、真太郎の背中に手を回した。
高「ヒューあっついね~!!」
高尾君の冷やかしに私達は慌てて離れた。
高「全くイチャつきやがってよ~」
緑「黙れ高尾」
縁「ハイハイ、お似合いなのはわかってるから」
蒼「縁ッ!!」