第15章 秀徳 対 誠凛
蒼依side
真太郎はなぜか不機嫌そうに、そしてどこか不安そうに見つめていた。
黄「蒼依っち、緑間っちと付き合ってるんスか?」
蒼「…………」
黄「そこで黙っちゃうんスか?」
なんでもいいけど、早く手を離して欲しい。
いまだに握られたままの右手を見やりながら思う。抜いちゃお。手をさりげなく抜く。
緑「リベンジしたいと思っているだろうが、それは無理なのだよ。誠凛などという新設校に、秀徳が負けるなど有り得ない」
黄「相変わらずッスね~、緑間っち」
蒼「……」
緑「…それより蒼依、体調でも悪いのか?」
蒼「……え?いや、別にどこも悪くないけど」
緑「…そうか、口数が少ないからどうかしたのかと思ったのだよ」
蒼「…大丈夫。ありがとう」
黄「…にしても蒼依っち美人ッスね~、緑間っちは幸せっスね、こんな美人な子と付き合えて」
蒼「………」
緑「…くだらないことを言うな、黄瀬」
また言われた…美人。なんでかな、私、美人とか言われたくないのに。
縁「蒼依?」
高「なんだよ、こんなところにいたのかよー」
蒼「縁…?」
黄「え、あれ!?そっくり!?双子!?」
縁「!!サッ」
縁は高尾君の後ろに隠れた。
知らない人、じゃないよね。さっき見てたよね。初対面はムリなのかな。
黄「え、もしかしてオレ、嫌われちゃってるッスか?」
蒼「縁は人見知りなんですよ」
黄「そうなんスか、オレ、黄s「黄瀬涼太…君。モデルの…」知っててくれてるんスか?名前はなんていうんスか?」
縁「縁…片桐縁」
黄「よろしく、縁っち!!」
縁は差し出された手を恐る恐る握り、すぐに離した。
高「な、そろそろ帰ろーぜ。いつまでもいちゃ悪いしな」
緑「ああ、そうだな」
黄「あれ、もう行くんスか?さよならッス~」
帰り道。
蒼「…はあっ!!」
緑「本当に大丈夫なのか?」
蒼「私、嫌いなタイプの人にはとことん口数が少なくなるんだ。ごめんね、心配かけて」
緑「いや、別に大したことではないのだよ」
高「大丈夫か?縁ちゃん…」
縁「大丈、夫、です」
高「いやいや、全然大丈夫じゃねーから」
縁「苦手です。ああいう人」
蒼「私もムリ」
高緑(オレもだ/なのだよ)