第15章 秀徳 対 誠凛
視点がコロコロ変わります。
縁side
「海常高校対誠凛高校、バスケットボール試合!!」
「よろしくお願いします!!」
始まった…。
ジャンプボールをとったのは…誠凛。
凄い高さ。そして速い。
両高校のことは、事前に少し調べておいた。
彼は確か…。一年生の火神大我君。帰国子女。ポジションは…見たところPF、かな?
火神君の身体能力を見ようと、目を細めて意識を集中させた。
蒼依程じゃないけど脚が異常に強い。
さっきのジャンプはこの脚の強さからか。
来る時に、緑間君に同じ中学の人はどんな人か、聞いた。
緑「…まねっこと影が薄い奴だな」
そう言っていた。
火神君緑間君と同じ中学ではないのか。
記録用紙に記入する。
[火神大我:脚が強く、スピードもある。要注意]
ざわっ
体育館内がざわめいた。
「きゃー!!黄瀬くーーーーん!!」
黄色い声があがる。
見ると黄色い髪の人がボールを奪ったところだった。
あれは…海常高校の黄瀬涼太君。緑間君と同じ帝光中学の人だ。ポジションは…わかんないや。
身体能力は…どれも人並み以上で安定してるな。
やろうと思えばなんでもでき…え!?
黄瀬君は火神君の動きと全く同じ動きで点を取った。
蒼「全く同じ…」
隣で蒼依がつぶやく。
[黄瀬涼太:身体能力はオールマイティーで、スタイルコピーを得意とする]
ダンッ
……な、なに?
いつの間にか、パスが誠凛に回っていた。
あれは…。
今の一瞬、パスの軌道が変わった。
誰かが軌道を変えたんだ。
選手のなかに、ひときわ小柄で目立たない人がいた。
身体能力は格段に低く、少しでも気を抜けば、見失ってしまう程に。
彼だ。彼は、影の薄さを利用してパスの中継役になってるんだ。
彼は確か…黒子テツヤ君。
彼も元帝光中学バスケ部…。
[黒子テツヤ:影が薄い。パスの中継役を担っている。ミスディレクション 要注意]
今回は来て正確、だね。