第15章 秀徳 対 誠凛
縁side
インターハイ予選が近くなり、練習も厳しさを増してきた。
今やっているのは私が提案した、レギュラーを含めたトップ10人で行う5on5。
「上がれ!!気を緩めるな!!」
「声を出せ!!」
いつもより一段と気合いが入っているみたい。
緑間君はいつもより3Pをバンバン決めてるし、和成君もホークアイをフル活用してチャンスを作り出してる。
大「一旦休憩ー!!」
大坪さんの休憩宣言でみんながベンチに戻ってきた。
1人1人にスポドリを渡していく。
高「はぁ…はぁ…。あ~、きっつ~……」
縁「お疲れ様。か、和成君。ハイ、スポドリ」
高「サンキューな!!」
縁「緑間君はまだありますか?足しますか?」
緑「ああ、頼むのだよ」
縁「はい。じゃあ水筒貸してください。………ハイ、どうぞ」
緑「ありがとうなのだよ」
高「縁ちゃんも随分マネに慣れたな~」
そうかな?と首を傾げる。
縁「インターハイ予選が近いから…。私も文句言ってられないよ」
緑「そう言えば、蒼依はどうしたのだよ?」
高「ホント真ちゃん蒼依ちゃんにベタ惚れだな~」
緑「う、うるさいのだよ!!///」
縁「蒼依なら、ほら」
体育館の端を指差す。
蒼依は、蒼依の身長の3分の2くらいの高さに積んだ瓦を前に、狙いを定め、集中力を高めていた。
蒼「スゥ…スゥ…。ふっ!」
そして一気に力を溜め、瓦に手を振り下ろした。
スガガガガガガガガガガ
一発ですべて割り尽くした。
高「……マジかよ」
縁「退屈しのぎ、だそうです」
緑「………(゜_゜;)」
蒼「ふー………あ、みんな、休憩ですか?」
瓦を片付けながら声をかけてくる。
縁「休憩中だよ。瓦、ちゃんと片付けなよ」
蒼「ハイハイ」
高「真ちゃん、お前の彼女すげーな」
緑「……茶化すなバカ尾」