第10章 んじゃ、そういう肩書きで
by蒼依
~放課後~
松「さよならー」
全「さよならー」
授業が終わり、放課後になった。
私は注射のため使われていない実験室に入った。高尾君もついてきた。
高「オレがさりげなく隠してやるよ」
って。優しいなぁ。
手際良く注射を終わらせ、片付けを済ませて、さりげなくドアに寄りかかっている高尾君のところまで行った。
縁「ありがとうございました」
高「いいっていいって。部活行こうぜ」
体育館に着いた。途端。
「テメーふざけんなよ緑間アアアッ!!」
な、何々何々?
見ると宮地さんが緑間君に本気でキレていた。
高「ああ…やっちまったなぁ…」
な、なんなんですか?
緑「……オレのどこに非があったのですか?」
宮「テメー、もう少し周り見やがれよ、緑間ァァァ…」
緑「シュートは外しませんでした。なのに何が気に入らないのですか?」
宮「…もう我慢の限界だわ。木村ぁ、パイナップル」
木「あるぜ、青々したやつ。ほらよ」
や、ヤバい気がする。
宮「これで目ぇ覚ましやがれ、このヤロー!!!」
言いながら、宮地さんは緑間君に向かってパイナップルを全力で投げつけた。
まずい!!あれ、緑間君よけられない!!
ビュン
宮地さんが投げつけた瞬間、私の隣を何かが凄い速さで駆け抜けた。
そして、
パシッ
片手でパイナップルをキャッチした。
宮「なっ……」
緑「お前……!」
瑠璃色の髪。私と瓜二つな姿。
言わずと知れた、蒼依だった。