第10章 んじゃ、そういう肩書きで
by蒼依
高尾side
いや~、昨日の夜は全っ然寝れなかったぜ。
なぜかって?理由は簡単。
縁ちゃんのことを考えてたから。
昨日屋上で見聞きしたこと。
そして何より、キスしたこと。
うはぁ、やべ。またニヤケが。
真ちゃんの家の前で真ちゃんを待つ。勿論、チャリアカーで、ね。
お。出てきた出てきた。
緑「……………ムスッ」
高「よー、真ちゃん。おは…よ…」
なななな、なんだか凄い不機嫌…。
あ。もしかして…。
高「なあ、真ちゃん。今日のラッキーアイテム…手に入った?」
緑「……キッ」
うわすげー顔…。やっぱラッキーアイテム手に入らなかったんだな。
高「…とにかく、乗れって。な?」
真ちゃんは不機嫌そうにリヤカーに乗りこんだ。
高「…よっ…」
ペダルをこぎだす。
無言。気まず~…。
ん?あれは…。
高「縁ちゃんと蒼依ちゃん!?おーい!!」
オレの叫び声に、2人も気付いた。蒼依ちゃんに引っ張られて縁ちゃんも走ってきた。
高「おはよー、お2人さん!」
縁「おはようございます」
蒼「おはようござ…い…ま…」
蒼依ちゃんが唖然としてる。
多分、いや絶対リヤカーに乗ってる誰かさんだね、理由は。