第9章 発覚そして始まり
15分は泣いていただろうか。
私が少し落ち着くと、高尾君は、抱く力を緩めて言った。
高「なあ、縁ちゃん。今日オレを呼び出したのは、これを言いたかったからか?」
私は、小さく首を振った。
高「なら、オレに話すことがあるわけっしょ?それを伝えてくれなくちゃ」
高尾君は私を見下ろして、にっと笑い、立ち上がった。
私も小さくうなずいて、立つ。
恥ずかしい。それは変わらない。だけど…。
だけど今なら、素直に言える。
私の本当の気持ちを、この人に。
私は高尾君をまっすぐ見て、軽く深呼吸をして伝えた。
縁「私…高尾君のことが好きです。で、ですから…付き合ってください」
高尾君は優しく微笑んで、返事をしてくれた。
高「喜んで!!」
高尾君は私の肩をつかみ、引き寄せた。
また抱かれるのかな…
そう思っていた。
けど、違った。かわりに、唇になにかが触れた。
見ると高尾君の顔がすぐ近くにある。
……え。
うえええええええええ!?
これは!!これはまさか、Kから始まるアレですか!?
慌てて離れようとしたけど、高尾君の力が強くて逃げられない。
顔から火がでるくらい恥ずかしかったけど、心のどこかが嬉しかった。
こうして私達は始まった。