第9章 発覚そして始まり
視点がコロコロ変わります。
高尾side
どれくらいそうしていただろう。先に静けさを破ったのは縁ちゃんだった。ふっと軽くため息をついて言った。
縁「見られてしまいましたね」
縁ちゃんとは思えないような、低く冷たい声だった。
縁side
見られた…見られた。
私は見られたショックとなぜかわいてきた自己嫌悪を抑え、言った。
「見られてしまいましたね」
自分の声とは思えないような低く冷たい声が出た。
高尾side
オレもやっと声をだした。
高「縁ちゃん…それは…」
縁「なんだと思いますか?」
冷たく切り返された。
けど、オレは、その声の裏に、なにか押し隠しているように思えた。
縁side
頭の中は自己嫌悪で溢れかえっていた。高尾君に冷たくあたる自分も、病気で長生きできない自分も、人見知りな自分も、何もかもが嫌だった。
そんな感情を抑え込み、私は冷たく言い放つ。
縁「覚醒剤?麻薬?私は何を自分に注射したのですか?」
ああ、もういや。こんな私なんて、病気持ちの私なんて、人見知りな私なんて。
そして、高尾君に冷たくあたる私なんて。
イ ナ ク ナ レ バ イ イ ノ ニ
特大の自己嫌悪が私を襲った。
スーッ
なにかが流れた。
高尾side
縁ちゃんの気持ちを探ろうと、オレは気持ちを集中していた。
縁ちゃんは、オレに容赦なく冷たく言い放つ。
縁「覚醒剤?麻薬?私は何を自分に注射したのですか?」
あと少し…あと少しでわかる…!
スーッ
!!!!やっと見つけた。縁ちゃんの本当の気持ち。
――――――
いや~、わかりにくかったですかね?
読みにくかったらごめんなさい。