第8章 素直になりなよ
by蒼依
蒼依side
只今の時間、6時49分
もうすぐ7時になるのに。まだ縁が帰ってこない。
今日が初めての登校日なんだけど。
遅くないかな?
縁は私の双子の姉。姉と言っても10秒くらいの話だけどね。
縁はずっと病院暮らしだから、家に帰ってくるなんて久しぶり。
だからさっきから待ってるんだけど…。
ガチャッ
あっ!!帰って来た!!
大急ぎで玄関に行く。
縁!久し……え?
私は言葉を失った。
そこにいたのは、確かに縁だった。でも、私が期待していた縁ではなかった。
縁は涙で目を赤くし、うつむいていた。
蒼「ゆか……り?なにか、あったの?」
縁は顔をあげ、力無く笑って言った。
縁「ごめんね、蒼依。数年ぶりに家に帰って来たのに、こんなで」
言うなり縁はガクッと崩れ落ちた。
私はとっさに縁を抱きとめ、腕の中で泣き崩れる双子の姉を、訳も分からず見つめていた。
――――――
またまた初めての蒼依ちゃんsideです。
これからは、縁、高尾、緑間、蒼依を中心視点にやっていきたいと思います(下手ですけど)。
よろしくお願いします。