第7章 帰り道
高「マジ(笑)?」
縁「嘘偽りありませんよ。あなたがたは、学校生活においてもバスケにおいても最高のコンビです」
真っ直ぐな瞳に、ドキッとする。縁ちゃんの目、なんだか青い。目も瑠璃色なんだな。
…覚悟は決まった。伝えよう、オレの気持ちを、縁ちゃんに。
高「………なあ、縁ちゃん。ちょっとだけ、聞いてもらってもいい?」
縁ちゃんは、首を傾げて言った。
縁「私に…ですか?部活のことですか?」
高「いや、オレ個人で、言いたいことがあるんだ」
縁「?はい」
スゥゥ…ハァ…
高「会ったその日に言うのもなんだけど…」
縁「……………」
高「オレさ、縁ちゃんが…好き…なんだよ…だから、付き合ってください」
縁「っ!!!!!!」
縁ちゃんの目が大きくなり、顔はリンゴみたいに赤くなった。
言った…。
縁「……す…き…?付き…合う…?」
オレを見つめて、何か言おうとした。
オレが返事に期待したとき。
縁ちゃんが、はっとなにかを思い出したように胸、心臓のあたりを押さえた。顔の赤みが消え、青くなる。
高「縁…ちゃん?」
縁「…ありがとう。高尾君。多分…私も…あなたに対して同じ思いを抱いて…いるように思います。だけど…」
縁ちゃんはふっと顔を背け、胸を押さえる手に力をこめて、続けた。
縁「私では…あなたに辛い思いをさせるだけ…。そんなこと…好意を寄せているであろう人に…そんな思いを感じさせたくない…」
オレはなにも言えなかった。ただ、関係を断ち切りたくない一心で、
高「…じゃあ、今までみたいに友達でいて?」
とだけ言った。
縁ちゃんは小さくうなずき、リヤカーのお礼を言ってから、帰っていった。
オレは呆然と立ちすくんでいた。目が熱くなり、なにかが頬を流れた。
高「は…。まさか…オレのためにフラれるなんて…ね」
涙はどんどん流れてくる。
高「せめて…スパッとフってくれりゃあ…オレも納得できたのに…」
情けない。ただそれだけだった。
高「オレ…男として情けねーや」
涙はとどまりを知らず、頬を濡らし続けた。
今のオレ…ヒドい顔だろうな。
ケータイを出し、メール画面を開く。
宛先:真ちゃん
[明日、オレヒドい顔してると思うけど、笑うなよ]
返事はすぐ来た。
[お前の顔など、対して変わらないのだよ]
はは。サンキュ、真ちゃん。