• テキストサイズ

もう、なにも怖くない

第7章 帰り道


縁side

大「今日はここまでだ。みんな、しっかり休めよ」

全「お疲れ様っした~!」

あ、終わったか…えーと、ボールの片付けしなくちゃね。
体育館には練習で使ったボールが散乱していたが、なにぶん体育館が広いので、集めるだけでひと苦労だ。
1回につき2個ずつ集める。
あと1個と思い、振り返ると、ボールを持った高尾君と、そんな高尾君を呆れたように見る緑間君がいた。

縁「あっ…ごめんなさい。気を使わせてしまって…」

高「いいっていいって。一緒に帰るんだから同じだし」

緑「一緒に帰るなら帰ると先に言え、高尾」

高「へーへー、さ、縁ちゃん。片付け終わったし帰ろーぜ。オレ先に行ってとってくるから」

高尾君はすたこら走っていった。
とって…くる?

首を傾げている私に、緑間君は笑って言った。

緑「見ればわかるのだよ」

~数分後~

縁「…………え(゜o゜)」

声も出なかった。異様な景色が広がっていた。
高尾君が自転車に乗っている。それは普通だ。
その自転車の後ろに、リヤカーが接続されていなければ。

高「あ、縁ちゃんには言ってなかったかな?これ、チャリアカーっての。真ちゃんとじゃんけんして、負けたほうがこぐ、てな話だけど…真ちゃんが強くて強くて…。今オレ連敗記録更新中なんだよ…」

緑「オレは人事を尽くしているのだ。負けるわけがないのだよ」

…………くすっくすくすくす

高緑「なにがおかしいの/のだよ?」

縁「お二人とも、良き仲間を得られましたね」

私が笑いをこらえながら言うと、高尾君と緑間君は、お互いに見合った。と、高尾君はにひっと笑い、緑間君は赤くなってそっぽ向いた。
私はもう笑いをこらえられず、声をあげて笑い出した。
2人はよくわからなそうな顔をしてたけど、すぐに高尾君も笑い出し、緑間君はフッと微笑んだ。

ひとしきり笑ったあと、高尾君が不意に言った。

高「縁ちゃん、やっと心から笑ったね」

/ 110ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp