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もう、なにも怖くない

第6章 放課後にて


集まってきた人達を見回して、高尾君は大声で叫んだ。

高「皆様方、長らくお待たせいたしました。マネージャーこうほ、いや希望者、連れて参りました~!!!!」

えええええええええ!?
皆と私の叫び声が、見事にマッチした。

高「いやぁ、部活こようとしたら、この子がうろうろしてたんで、話きいたんスよ。そしたらバスケ部マネージャー希望だって言うからさぁ、ちょーど良いから連れて来たんス」

高尾はありもしないことをペラペラ喋っている。
どういうつもり、の意を込めて、高尾君を凝視した。
高尾君は、私の視線に気付くと、ニヤリとしながら声を潜めた。

高「オレに迷惑かけっぱなしって思ってるんだろ?だったらこれでチャラにしてやるよ~ってね!!」

な、なぜそれを…。だけど、高尾君に恩返し?したいし…
それに、バスケがもうできない私にとって、バスケと関わる唯一のチャンス…。
よし。やろう。
高尾君と目を合わせて、小さく頷いた。
高尾君はぱあっと顔を輝かせた。………?
なんでかな?
まあ、いいか。

高「皆様方~、この子の気持ちも固まったみたいなんで~、自己紹介してもらいますね~」

深呼吸して…恐怖を和らげて…

縁「はじめまして。紹介頂きました、マネージャー希望者、片桐縁と申します。バスケは経験があり、得意ですが、訳あってできないのでマネージャー希望とさせていただきました」

一瞬の静寂。ああ、なんで黙るかな…。私マズいこと言ったかなぁ…。今日だけで一体何回沈黙を味わったか…。静寂って嫌いだ。

すっと誰かが前にでた。
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