第4章 高校
学校につくと人だかりができている玄関
クラス表が貼られている。
その人だかりに及川が入っていく。
まあわたしたちはいかなくても及川が3人分みてくれると思ってわたしと岩ちゃんは人だかりには近づかない
「なあ、歌恋。」
岩ちゃんにふと声をかけられる
「青城は女子バレー部がない。ほんとに良かったのかよ」
とあの試合のあとのわたしを知らない岩ちゃんはずっと気になってたらしい。
「わたし、バレーから逃げたんだ。」
逃げたことは認めている自分でも。
目の前の高い壁
隙間もない壁
何度打ってもその壁に跳ね返されるボール
2-0で負けた屈辱
「怖くなっちゃったの。バレーが」
岩ちゃんになら話しても大丈夫。
及川と一緒でずっと支えてくれてた人物だから。
「お前はそれで良かったのかよ」
と言う岩ちゃんに
「わたし、あの日以来ボールにすら触れてないの。」
自分の部屋にもボールがあって休みの日でも触れていたボール
あの日以来見たくもなくて自分の部屋には置かなくなった
驚いた顔の岩ちゃん
「バレー嫌いになったのか?」
違うよ岩ちゃん
わたしがバレーを嫌いなんじゃないんだよ
バレーがわたしを嫌いになったんだ。