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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第10章 異世界紳士と秘密情報


「すみませんフィルさん…」


「ティナ、そんな悲しい顔しないでください
私の得意分野ですからね」


オリヴァーが部屋の倉庫から楽器を発見して
ドラムは出来るから演奏していたら
まさか、フィルさんが
エレキギターでセッションしてくれるなんて
思わなかった


「僕、オリヴァーが罰を受けてないの
初めて見ました〜…」


「フィルとティナが
爆音で壊れた機械類の修理かよ!!
ホール優しすぎだろ!!
俺にはもっと酷だっただろ!!」


私とフィルさんの演奏で大盛り上がりの時に
ホールさんが帰ってきた
最初は驚きすぎたのか言葉を発せず
目を大きく見開き、私たちを見ていた


「俺はとにかくびっくりしたよ
いつもは穏やかなティナとフィルが
派手にドラムとエレキギターを
演奏していたなんてね…」


元はと言えば私のせいだ
フィルさんは途中から参加したのに…
私だけの罰のはずなのに
フィルさんも受けるなんて…


「フィルさん…本当にすみません…」


「そんなに謝らなくてもいいんですよ」


「今日のランチ奢りますね…
いつもよりちょっとだけ値段の張る
美味しいお店知ってるので
2人で行きましょう…」


その時鋭く強い視線を感じた
なんとなく、その方向にふり向く


「ホールさん…? 何か?」


「(そんなズルイじゃないか…!
ティナと2人でランチだと…?!
俺が罰を与えたはずなんだけどな…)

どうしたんだティナ? 何でもないよ」


あれっ?じゃあ気のせいなのかな…?


「流石に後輩に奢らせるなんて事はしませんよ
そうですね…
私に新しく仕事が入ったのですが
ティナも一緒に仕事してもらえませんか?」


「一緒に仕事ですか?
もちろん構いませんよ!
ちなみにどんな内容ですか?」


「独裁国家の政府機関に侵入して
コンピュータから情報を盗むだけですよ」


「いや、ちょっと待ってくれないかフィル
この仕事は
情報処理が得意なフィルに任せた仕事だよ
危険もあるし誘うなら他の…」


「わかりました
下手したら殺されそうですけどね
まぁ、そこは頑張ります」


「ありがとうございますティナ
私はとても嬉しいですよ
実はこの仕事12時にここを出なきゃいけないんです
準備しましょう♪
ホールさん、罰の修理が全て終わりましたので
私も準備しますね♪」
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