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スタマイ ~sister side~

第9章 ホットはいずれ


九条壮馬side
それにしても、今日は疲れた…
正直、早く休んだほうが良いんだろう…

ん?

部屋の前に誰か来たようだ
しかも、一向に部屋に入る気配がない

李さんか、彼女か

今日の李さんは様子がおかしかった

彼女、お姉さんへの態度は紛れもなく、慕っている妹に見えるが
ふと、寂しそうな、不安そうな表情も入っているように見える

本人に自覚もありそうだが

となれば…おそらく妹君のようだし招いてみるか
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「扉があいてると冷えるんだ。外は雨だしね。」
雨、すごいですね。と述べた彼女の目は雨を見ていない
心ここにあらず、といった様だ
ソファに促すと、いつもなら深くゆったりと座るのに対し、浅く座り、目線は下。

「わたしは、君が好きだよ。」

じっとみつめ、伝えてみると

「なんで、そんなことをおっしゃるんです?」
目を見開いて、不安そうに述べた

好きといわれて、この年齢の女の子がこの反応は普通しない

なにか、思いがありそうだ
姉君が、嫌いな様子ではない。ということは、コンプレックスか苦手意識かといったところかな

下を向く彼女に、顔をあげるように促しても見つめているのは床

「君がそんなに素直じゃないとはね。初めて知ったよ」
床とにらめっこをする彼女の頭をわたしはなでた

一瞬ぴくりと肩を揺らしたが、嫌ではないようだ

そして、座っている彼女を抱きしめてた

「君は君だ。我が家に私から招いたのは君だよ。」
「グス…はい…ん、ヒック」


「わたし、お姉ちゃんのこと大好きで大嫌いなんです」

「あはは、うらやましくて仕方がなくて…コンプレックスってわかってるんです」

やはり、コンプレックスと自覚はある。自覚があるならもはや、それはコンプレックスではない思うが。

李というひとりの女の子にとって、姉である彼女は特別すぎたのか

わたしにしたら李さんのほうが神様に気に入られていると感じる

ここまで、我が家の人間たちを虜にしている自覚はない、か

やはり、彼女はなにか企んで来たわけではない
李さんは、巻き込まれたかもしれないな

この子にとって不運となるかもしれない
もしくは私たちへの神様からのラッキーガールとなるか

申し訳ないが、楽しみにさせてもらおう

それにしても、少し疲れたようだ
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