第9章 ホットはいずれ
「そ、壮馬さん?!」
九「ふ。」
「え?」
九「いや、すまない。勘違いしている様がかわいくてつい」
壮馬さんは、くすくすとおなかを抱えて笑っている
「からかったんですね!!!」
九「うちには、十分すぎるほど来客用の部屋は用意してある。」
「な…」
九「どうせなら、わたしの部屋のほうが良かったかな」
「そ、そんなわけありません!!」
九「申し訳ない、ふふ。」
壮馬さんが楽しそうに笑っていたので、仕方ないが言い返すことはやめた
「なんだか、すみません。」
九「構わない。この天気だから今日は無理に返すつもりもなかったのでね。…だが、李が泊まるように部屋を用意する必要はあるかもしれないね。」
「え、なんでです?」
九「そうすれば、時間を気にせずうちで過ごせるだろう?それに、そのほうがわたしも嬉しいからね。」
「なるほど、でもそんなお世話になっていいんでしょうか…」
九「わたしが、いいといっているんだ。かまわないだろう?」
「…ふふ、はい。じゃあ、ありがたく今日は泊まらせていただいて、引き続きお願いします。」
そういうと、壮馬さんはとても嬉しそうな顔でわたしに頬笑んでくれた。
さっきよりも、多少は顔色の良くなっていた顔に安心したことは黙っていることにした
「壮馬さん、今日はありがとうございました」
九「…おやすみ、ゆっくり寝なさい」
壮馬さんは、そういいわたしに柔かい笑みを浮かべ部屋の電気を消し、去った
それにしても、今日はいろんなことがあって疲れた。ような気がする
壮馬さんの予想外な一面も見ることができたし、お姉ちゃんのことはすぐ踏ん切りはつかなくても
壮馬さんや宏弥くん、カナメくんや清志さん、豪さんのおかげで大丈夫な気がしている
「明日、ちゃんと御礼言わなきゃ。あ、宏弥くんに謝らないと…」
そういいながら、わたしは壮馬さんの言葉を思い浮かべていると、壮馬さんの
「李」
といつの間にか呼び捨てだったことを思い出した…
あ…う…普段、'さん'と呼ぶ声に呼び捨てされるとなんだか…
「あーあつい!寝よ」
と、わたしは赤い顔を手でパタパタと仰ぎながらめを瞑った