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スタマイ ~sister side~

第8章 桐嶋さんってこんなひと


桐嶋がでていったことを確認したわたしは、こう切り出した

姉「九条さん、わたしのことご存知だったんですか?」
九「…ふ、我が家に出入りする人間は初めからきちんと調べている。…何が言いたいのかな」
姉「仕事とは関係有りません。この聞き方は失礼に値するかもしれませんが、大事なことなので質問させていただきます。…妹、李とはご友人と聞いていますが本当ですか?」
九「ああ、君から連絡をもらう大分前からだ。大分といっても、比較的最近かな。彼女が出入りすることは多いので、わたしも大分前から家族のように感じているかもしれない。君から連絡がきたときは彼女の狙いはこれだったのかとも思ったよ。疑ったこともあったが。…そうではないことがよくわかってね。」

姉「…」

九「…君と彼女を我が家で鉢合わせなければよい話でもあったので、問題なく事は進む予定だったんだがこんなことになるとは。桐嶋の勘というのは相変わらず油断ならない。」
姉「…李は…いえ。なんでもありません。」
九「なにか、心配しているようだが彼女とは我々家族みな良い関係を築かせてもらっているよ。あの子はいい子だ。」
姉「……」

李がいい子だなんて、私が一番よくわかってる。私のせいで、あの子が不自由していることも。九条さんは、どこまで知っているのか食えない。この彼の言う'いい子'という言葉に違和感もある
李に、なにか危害を加えていないようだし一先ず仕事が先。
九条さんはわたしが納得したことを察したようで本題といこうか、と誘導した
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九条家・応接間
数時間後

九「…では、今日はここまでに。情報開示の件については確認の上で改めて回答を」
姉「はい。貴重なお時間を…」
カツカツ…バタン

姉「…ありがとうございました…」
桐「お前、終わったか?」
「お姉ちゃん!お疲れ様!」
姉「!…李…」
桐「何かお前、この数時間ですげーやつれたな」
姉「精神的にちょっと……え!?」
桐「あ?庭がどうかした…ああ。お前、もしかして気付いてなかったのかよ?夕方くらいからずっと土砂降りだったのに」
姉「……!」

私は、お姉ちゃんが仕事をおえ、ある意味すっきりした表情になんとも言いがたい感情を抱えていた。せっかくできた、わたしの居場所をお姉ちゃんによってうばわれるんじゃないかと
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