第6章 衝撃とあんみつ
お土産として何を作ろうか、レシピを検索する。
昔とちがって便利になったもので、とら愛用のサイトを開く。
人気の”あおぴょん”のページを開きながら、九条家みなさんの好みを考える。
ここのサイトには、わたしもたまに掲載する。元々は、お姉ちゃんによるファインプレーをきっかけにはじめたことだ。
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姉「李"ちゃん、いわれてたもの買ってきたー!」
「ありがと、ってお姉ちゃんこれ…」
お醤油が切れていたことを思い出し、仕事帰りの姉にお願いした。しかし、買ってきたものは納豆。
姉「…え、違った!?」
「ううん、大丈夫!なんとかしてみせましょう!」
といったことから始まり、姉のおつかい間違いによってたびたび生じる意外なアレンジ。
姉のすすめで掲載すると、意外に好評。
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最近は就活も相まって、離れていたがまた開始しようかなんてことを考えていた。
正直なことを言えば、アレンジ程度で”あおぴょん”さんには及ばないんだよなあ。
「あ、これよさそう。」
指定の材料に多少手を加えれば、好みの味になりそう。
ということで、ついでに買い物に出ることにした。
時間にも余裕はありそうで問題はないだろう。
少し遠方にあるがお気に入りのお店に買い物に出ることにした。
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相変わらず、品揃えは完璧な様
スマートフォンを片手に指定の材料を探すが、中々見つからない。
ドン
「ぎゃ」「っと。」
コツン
「ご、ごめんなさい!余所見をしていて。」
?「ああ、問題ない。怪我はないか?」
目の前には顔面偏差値がとても高そうなスーツのお兄さん
とっさにわたしの手を掴んでくれたおかげでスマホを落としただけですんだ。
?「ほら、こ…」
画面が上をむいていたこともあり、わたしのスマホ画面を見つめるお兄さん
?「この材料探してるのか?」
お兄さんは、わたしの買い物かごをちらみするとそう告げた
「あ、そうなんです。見つからなくて…」
?「それなら、こっちだ。」
ご親切にも、場所を教えてくれるイケメンさん。
「ありがとうございます、なかなか見つからなくて困ってたんです。」