第6章 衝撃とあんみつ
宮「バイオテクノロジーの力を用い、遺伝子の組み替えが成功し、青いバラは誕生しました。サン〇リーが開発した世界ではじめての青いバラは、「SUNTORY blue rose Applause 」と名づけられました。名前に含まれる「アプローズ」の意味は、「拍手喝采」「称賛」です。青いバラを作るという夢をかなえるために、日夜研究を重ねてきた人たちへ、喝采を贈りたいという思いが込められています。ここまででもうすでに、伝わっているかもしれませんが、花言葉は「夢かなう」。です。」
宮瀬さんから、一凛の青いバラを受け取った
「夢、かなうですか。ふふ」
宮「就活のために努力していた李さんの努力は称賛に値しますし、夢かなったんです。だからこそ、今のあなたにはこの花言葉を送りたかったんです。」
「ありがとうございます、青いバラ大切にします。」
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これも、きっと宮瀬さんが一緒に箱に詰めてくれたのだと思うと、うれしさがこみあげてきた。
もうひとつ、小さな箱を開けてみるとネックレスとイヤリングが入っていた。しかも、控えめだけど華やかさは劣らないデザインだ。
「まじか…」
よくみるとアクセサリーの小箱の横にメッセージカードが入っている。
『これからも、よろしく S.K』
壮馬さんらしい、まっすぐな言葉。きれいな筆記体でイニシャルが書かれていた。
「ふふ、ありがとうございます」
思わず言葉にでてしまう。
頭の中で"これからも"という壮馬さんの姿の想像がつく。
壮馬さんなら、こんなだろうなと。
早速ネックレスとイヤリングをつけて、手には青いバラのミニブーケ。
自分の姿を写真に収め、それを壮馬さんに送った。
『ありがとうございます、大切にしますね。』
「とりあえず、これはここに置いておこ♪」
部屋においてある写真立ての横にメッセージカードとミニブーケを花瓶に生け、並べることとした。
その日は、忙しいのか九条さんからの返事は夜だった。
明日時間はあるか、という簡素な連絡がきた。
明日の夜は、九条邸で共に夕飯を取ることにした。
仕事が終わり次第宏弥くんが迎えにという連絡もきたのでこのネックレスをつけていこうと決めた。
明日も楽しみだな、直接お礼が言えそう。
宮瀬さんには及ばないけどせっかくだからお茶菓子でも作っていこうと、キッチンで準備を始めた。
