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スタマイ ~sister side~

第6章 衝撃とあんみつ


送り主に九条壮馬と書かれていた箱を改めてみる。
壮馬さんなら、カナメくんの住所を知っている。つまりは、私の家の住所がわかって当然。
送ることができる理由もよくわかる。マトリを通さず。

壮馬さんが、何の仕事をしている人なのか実はよく知らない。私にとって壮馬さんがどんな仕事をしていようと壮馬さんであることには変わらないと思えば、気にすることではないと思った。今後仲良くなるうちにわかると思うし。

「別に壮馬さんからの配達物を関さんに連絡する必要はないよね?」
といいつつ、後々のめんどくささも考えて写真には収めておくことにした。

パシャ

「開けてみよ」

大きい箱を開けてみると最新の電気鍋の箱と小さな箱、青いバラのミニブーケが入っていた。
電気鍋の箱の中身を確認し、写真に収める。
ずいぶんと高価なものをいただいてしまったようだ。
「青いバラは、宮瀬さん!」

青いバラのミニブーケは、この間の私の内定祝いの際にも置いてあった。
青いバラを自分の目で見たのは、初めてだった。
薔薇といえば、赤のイメージが強い。
九条家庭園をみたときも、たくさんの色のバラがあった。
カナメくんと清志さんと話したときにも、バラの話になった。

そのときに、バラ園を見て思ったことはよく手入れされていて大事にされているということ。
植物について詳しくない私でも、バラを育てることが容易ではないことはわかる。
咲き誇るバラをみれば、手間をかけて最大限に花開くよう工夫してあった。

【昨日】
「スイーツもおいしそうですけど、この青いバラとってもきれいですね」
九「それは、宮瀬からだ」
宮「ささやかながら、庭園のものからご用意させていただきました。いまの李さんに青いバラの花言葉をお送りしたかったんです。」

「青いバラの花言葉ですか?」
正直、まったく心当たりがない。
山「青いバラの花言葉って、不可能じゃなかった?」
「え…」
宮「そうですね。少しご説明いたします。自然界に青い花はいくつもありますが、バラだけは長い間、青い色は存在しないといわれていました。そのため、青いバラの花言葉はカナメくんの言う通り「不可能」、「存在しないもの」など、マイナスのイメージでした。」

山「でしたってことは、理由があるんだね」
宮瀬さんは、やわらかい笑みを浮かべながら花瓶から青いバラを一凛手に取った。
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