第1章 出会いと始まり
(つかれた……)
緊張はせずに終わったけど、なんだかんだ疲れたかな…
「帰りがてらに食材買って…そうだ、折角だしお姉ちゃんに甘いものでも振舞ってあげようかな…」
?「お、きた」
聞き覚えのある声に顔を上げると、面接前にぶつかつたチンピラさんがいた
?「あ」
え、これどうすればいいの?なんで待ち伏せされてるの?なんで???
?「おまえ、遅かったなあ〜もう帰ったかと思ったぞ」
「え、あ、すいません?」
いやいやなんで私謝ってんの?!
「なにか、御用ありましたか……?」
できるだけ、怖そうな人だし関わりたくないよう……
?「いや、そりゃそうだろ。携帯潰しちまったんだから」
「え???」
カバンから、さっきまで円滑に動いていた携帯を取り出してみた。
手元にあるのは、かなり潰れて画面がバリバリになっているスマホ。
急いでいた先ほどは、全く気が付かなかった……
「う、うそ……」
?「だから、「なんてことしてくれたんですか!!!!」
思わず大きめの声で言ってしまった
「あ、だって……これもう、つかえ、ないんですもん…」
?「ほんと、悪かった。ごめん。」
目の前のチンピラさんは、申し訳なさそうに頭を下げた。
「……」
このままじゃ、埒が明かないし。早急に何とかしたい。
面接の連絡が来るかもしれないんだ。
「もう、いいです。代わりの携帯買わなきゃいけませんし。携帯をしっかり手に持ってなかった私も悪いですから。」
そう言って、携帯ショップに行こうと目の前のチンピラさんを振り切って反対を向くと
?「……何が起きてる?」
今度は、高級そうなスーツを着たお兄さんが立っていた。
驚きの声よりも、喉に何かつっかえて出なかった。
緊張が、また戻ってきたように。