第4章 お砂糖はおいくつ
そのころ残された壮馬さん 宏弥くん 豪さんはこれから館に訪れるものの話をしていた
宏「九条さん…。」
九「……」
豪「九条さん。昨日仰ってた通りお茶はご用意しなくてよろしいんですね。」
無言が返答かのように、静寂が走る。
先程の柔らかな雰囲気と空気とは異なり、桐嶋はぴりっとした空気に背筋が伸びた。
その空気を壊すかのように、宮瀬が口を開いた。
宮「李さんのご様子ですと今日もお一人のようですし、仰っていた形でご用意しておきますね。早ければ厚労省の泉さんがご帰宅される頃には手筈が整うかと。」
九「宮瀬、頼んだぞ。それと…適当になにかピックアップ…。彼女の好みがわからんな。」
豪「はい、分かりました。カナメくんと新堂さんにそれとなく伺っておいて頂きましょう。そろそろ、お時間ですし僕は玄関に。」
九「……」
何かを考え込む九条の姿を、自分では何もできないことに桐嶋は背を向けた。
九条さんに助けてもらったご恩で、今ここにあるということを頭に浮かべていた。
害あるものか害無きものか、判断しなければならない。