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スタマイ ~sister side~

第2章 始まりは偶然にも


男手があるだけで物凄く早く片付けが終わりそうだ。衣類や小物類以外の大きなもの、台所や家具、ネットの接続やらテレビの設置やら……
1人でなら2~3日かかりそうなものがこんなにも早く終わってしまった。

「荒木田さん、菅野さん、お二人共ありがとうございました。たいへん助かりました!」

菅「このぐらい、ヒーローだから大したことないよ!」
ピースを答える菅野さんと、柔らかな笑みを零した荒木田さん。

初めは、大して良い印象は持ち合わせていなかったが
この2人は信頼出来るのかな、と胸の奥ではそう感じていた。

菅「それにしても、随分いいところだよね?女の子の一人暮らしには安心だけどさ」
「あ、そうですね…ちょっと訳あってしっかり目のところに住んでおきたくて。」
(多分、この2人にはマトリと…なんてこと言わない方がいいよね。どこから漏れるかわかんないし。)

荒「李は、玲とおんなじなのか?」
「ちょ、蒼生さん?!?!」

菅野さんの慌てようと、荒木田さんの真っ直ぐな質問。
おそらく"特異体質"の話だとすぐ分かった。

「…なんの、話ですか?」
にっこり三日月形に口を開いて、おどけて見せた。
姉に加えて、私の話が警察にまで広まるのは厄介。
この2人が悪い人ではないとわかった以上、何かあって巻き込みたくはない。
姉の頼みで来てくれるような人であるなら、恐らく姉の体質を知ってると見ても構わないと考えられるし。
ここで、たしかに私は姉とは違いますと明らかにしておく方が良いだろう。

荒「なら、いいんだ。」
菅「蒼生さんも、何言ってるんですか〜??」
菅野さんが、わざと、何事も無かったかのように話を変えてヒーローの話をし始めてくれた。

ーーーーーー
ーーー
「今日は、本当にありがとうございました。」
玄関で二人を見送る。本当はマンションの下まで、と言ったが
二人に断られてしまった。
菅「いいんだよいいんだよ!耀さんに、マトリちゃんの妹調べ」
荒「おい!…李、何かあったら連絡してくれ。」

菅野さんの言葉に重ねる形でそう、言った。

なんとなくではなく、ほぼほぼ確実に察していた菅野さんの目つき。
手伝いにきた、というよりも探りに来たという言葉がしっくりきていた。

マトリではなく、あくまで一般市民の私と関わることが難しい以上今回は好機だっただろう。
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