第2章 始まりは偶然にも
お姉ちゃんが、関さんのマンションに引越してすぐ
私も当てられたマンションに引っ越すこととなった。
引越しの日に、仕事で抜けられないというお姉ちゃんからの連絡は来ていた。
代わりに誰かに行ってもらう、といい出すので丁重に断った。
マトリが好き嫌いではなく、わざわざ姉と距離をとったのに
これでは意味がないだろうといいたかったのだ。
その方向で、話をすすめたところ
(関さんに連絡しておいた)
マトリでなければいいという勝手な判断をした姉は
大きな男二人をよこしたのだった。
そして、今。なぜか自己紹介から始まった。
菅「どーも!お姉さんにはいつもお世話になってます!菅野夏樹です!」
荒「…」
菅「この無口なお兄さんは荒木田蒼生さん!」
「お二人とも、わざわざすみません。妹の李です。今日はよろしくお願いします。」
あーあ、なんでわざわざ警察のしかも警視庁勤めの人間を送り込むかなあ。
マトリの人間といい、頼まれてひょこひょこくるこの二人も大丈夫なのかね。
ここで帰ってもらうのも悪いし、一先ず手伝いはしてもらおう。
「一通りは、業者さんに頼んでますので大丈夫だとは思うんですが、荷物の到着後のお手伝いをメインにしていただきます。よろしくお願いします。」
手伝ってもらうには、もらうのでご挨拶はしっかりと。
「菅野さん、荒木田さん。先に引越し先に行ってもらっても構いませんか?管理人さんと最後チェックします。」
菅「おっけー!じゃあ、行きましょう!」
荒「まて、俺は残るからお前先にいけ。」
私の言葉に荒木田さんは、残るという。
荒「最後、男手があったほうだいいこともある…から。」
思わず、じぃっと見ていたようで荒木田さんはそっぽをむいてしまった。
菅「わかりました!俺は先にいってます!じゃあ李ちゃんまた後で!」
慌しく、菅野さんは出て行った。
荒「…悪い、俺が残るよりもあいつが残ったほうがよかっ「そんなことありません。大変助かります。ありがとうございます、荒木田さん。」
すべて円滑に終わったが
ドアの前に、一つ残っていた。鉢植えだ。
「…残ってましたね。ふふ」
荒「これもって、向かうか。」
鉢植えは荒木田さんが持ってくれて、決して口数は多くないけれども
肩を並べて、マンションを出た。