第9章 似た者同士の扱い方(双黒夢)
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「さ、帰ろうか。」
「手前を乗せるきなんてさらさらねぇぞ。」
「そうだそうだ。」
「二人して酷いなぁ。」
二人で睨みつけるが、相手はあの太宰。
怯むも何もなく、ただ駐車場へと向かう私たちの後をつけてくる。
時間を見ようと電源をつけたら光が眩しすぎて目がチカチカした。一気に最小限までバーを引っ張り暗くさせる。
時間は11時手前。
この合コンとやらが始まったのが8時くらいだから、3時間弱はあの場にいたのだろう。それまでよく我慢できたものだと自分を褒める。
「太宰、代金払ったの?」
「とっくに。」
「手前が金支払うとか気持ち悪りぃ。」
何気ない会話をしながら歩いていくと、中也の黒いお高価そうな車がパーキングに停められていた。
支払ってくるから中に入ってろと言われたので素直に鍵を受け取って助手席のドアを開ける。しかしそのドアはすぐに太宰が閉めてしまった。
「何で閉めるのさ。」
「柊は私と後ろに座るんだよ。」
「やだ。助手席の方が楽しい。」
「だーめ。後ろ。」
後ろからのしかかってこられて体制が危うくなる。
何とかそれを持ち堪えて太宰の溝うちにグーパンをお見舞いしようとしたけれど、読まれていたのかさらりと受け止められてしまった。
その間に支払いを終えた中也が戻ってきた。
「早く入れよ。」
「私助手席乗りたいのに太宰が閉めちゃうんだもん。」
「だってまだ消毒一回しかしてないよ?」
「殺すぞ死ね。」
駄々をこねる太宰の頰を軽く叩いて助手席に素早く乗る。もちろん内側から鍵を閉めるのも忘れずに。
鍵を閉められたのがわかったのか、太宰はふて腐れた顔をして渋々後ろに乗った。
続いて中也も運転席へと乗り込む。
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