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喫茶店でのんびりと(文スト)

第9章 似た者同士の扱い方(双黒夢)





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「いねぇよ。」

「えー!本当に?!」

「嗚呼。」


その言葉に二人は目をさらにギラギラとさせた。まるで獲物を捕らえた熊のよう。


まぁ、中也に惹かれるのもわかるけれども、ここまで狙いを剥き出しにする人は初めて見た。女ってやっぱり怖いなー、なんて惚けていると、3人の話題は好きなタイプの人になった。


一人は優しくてカッコいい人、もう一人は中也みたいなひと、なんて答えていて好意が丸出しである。
どちらが先に好かれるかなんて勝負を始める二人に対して、私は机下で携帯を弄る。


とあるアプリを開いて時間帯や画像などを設定していく。早くこの場から去りたい私にとって救済とも言えるアプリである。

作ってくれた人には大いに感謝をしたいものだ。


4分後になるようにセットし終えたら何事もなかったかのようにスマホを机の上に置く。
このスマホが鳴ったらここからの解放の合図とも言えるだろう。



早くならないかと話を聞いているそぶりをしていると、途端に一人の男が私のすぐ隣へとやってきた。
どさりと座り込むあたり相当酔いが回っているのだろう。



「柊ちゃん飲んでるー?」

「はい。でも苦手なので少しずつなんですけどね...。」

「へぇー!お酒苦手なんだ!」

「こう、もっと飲めた方が楽しめると思うんですけど、生憎すぐに酔いが回っちゃうので。」


猫かぶりの笑みを見せれば、相手は調子がさらに良くなったのか私に肩を組んで密着してきた。

いきなり過ぎる行動に背筋がぞわりと気持ち悪くなる。それと同時に何処からか鋭い視線を感じた。
お酒くさい奴の相手をしなければならないなんて相当な不運だろう。



「柊ちゃんはー、俺のこと好き?」

「え、あぁ...、ま、まだ出会ったばかりでよくわからないです...。」

「そんな事言ってー!本当のこといってもいいんだぞ?」


本当の事を言ったのに本当の事を言えとはかなり矛盾しているし此奴の馬鹿丸出し度は尋常じゃない。

更には腰あたりを掴まれてもっと近寄れと言わんばかりに引き寄せてくるもんだから、本当に殴ってやりたくなる。





はやく、はやく終われ....!!!





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