第7章 テーブル下の戦い(大宰夢)
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「........、?」
目を閉じて数秒後に、太腿に何かを感じた。
気の所為かと思いきや私の足には誰かさんの手が伸びてきていて、包帯を巻いてある事でその人物は明確となる。
眠たい目で隣を見れば、其奴はニヤリと笑ってくるもんだから確信犯だ。
...というか、こんな起こし方気持ち悪いにもほどがある。太腿を撫でるなんてパワハラだ。
しかも今の私は睡眠を妨害されて頗る機嫌が悪い。
撫でてきていた手を取って、手を繋ぐ様にぎゅっと握りしめる。
それから、一気に力を入れて骨同士をゴリゴリとぶつけ合わさせた。
最初の段階で大宰は驚いた顔をしていたが、力を込めた瞬間に一気に顔を歪ませた。
これも全てテーブルの下で行われているので、他から見れば大宰が何かに悶えている様に見えるだろう。
「...、大宰くん、どうかしたかい?」
鴎外殿が異変に気付いたのか声をかけた。
私はその間も止める事なくひたすら力を目一杯に込めて血が止まるくらいに握りつぶす。
それが効いたのか口元を痙攣らせながら何でもないです、と返答をしている姿にざまぁみろと言わんばかりに笑ってみせた。
「(...、後で覚えておきなよ。)」
「(残念、呼び出しくらってるから無理。)」
小声でヒソヒソと話しているうちに会議は終わりを告げていて、其々立ち上がり持ち場に行く人の中で大宰と私は椅子に座ったまま睨み合う。
「あらー?行かないの?」
「誰かさんのせいでまだ行けないかなー。」
「あれ?私の所為にするの?
.....、この変態野郎!!!!」
「っ、いでででで!!!ちょ、痛い!!!」
両手でグググっと力を込めてやれば、さすがに痛過ぎたのか声をあげた。
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