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喫茶店でのんびりと(文スト)

第4章 電車はやめよう(中原夢)






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これから満員電車という地獄の始まりだと考えるだけで寝たい気分になってしまう。

大体今回の任務は其処まで大変じゃないって言われたから行ったのに、相手が機関銃ぶっ放してくるもんだから参ったものだ。


「なんであんなちっちゃい奴らがあんなもん持ってるの....?治安悪すぎ。」

「最近輸入が盛んになって増えてやがるからな。其処を根絶やしにすればおしまいだ。」

「そやね..、あぁ、帰りたい。」

「今まさに帰ってるぞ。」

「わかってるよ。」



身長が同等の私と中也は今にもサラリーマンで埋もれてしまいそう。て言うかもう埋もれてしまっている。

もう少し中也が大きければ見失う事もないし、電車の中でも多少のガードになるのに、此奴背低いからなぁ...。

意味ありげな目で中也を見つめていると、それに気づいたのか私の頬を引っ張ってきた。
それも結構強く。



「いてて、だから女だって言ってるでしょ!」

「手前が変なこと考えてるのが悪いんだろうが!」







《間も無く、四番線に列車が参ります。黄色い線から…………》



頬をつねりあっていると構内放送が流れた。
それからすぐに風圧と共に電車がやってきた。

私の一年くらい切っていない長い髪が風で中也の顔に当たってしまって、故意でやったわけではないのに軽く頬を叩かれた。
酷い。


今来たばかりの電車に乗っている人たちだけでもかなりきつそうなのに、此れに乗れと言うのだから本当に最悪だ。

扉が開けば出る人と入る人とでぶつかり合ってその衝撃が此方にまでやってくるもんだから、日本人はもう少し心に余裕を持ってほしいものだ。


ドンドンと周りにぶつかられながらもなんとか電車内に入ることが出来た。
この人過程だけでもかなり体力が削られるのに、周りの香水やら汗の匂いやらが混じって吐き気が襲ってくる。



中也もさぞ酷い顔をしているに違いないと辺りを見渡すれけど、その姿は何処にも見当たらない。


「...、あれ、」


背伸びをして見渡すにもぎゅうぎゅう過ぎて、体を動かす事もままならない。

丁度出入りが激しい真ん中辺りに行ってしまったのが凶だったか、なんて思っていたらほんの僅かな隙間から中也らしきオレンジ色の髪の毛が見えた。



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