第3章 後ろに気を付けろ(落ち未定)
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「うーーーーん....、せめてストーカーをしてるのかしてないのかだけハッキリさせておきたい...。」
「...、あ!それなら探偵社に依頼するといいよ!」
「え、あの探偵社にですか?」
ちょっと待ってね、と言って太宰さんが胸元から取り出したのは自身の名刺。普段使う事がないからなのか少しぐしゃりと歪んでいる。
「ここに電話するか、来てくれたら良いよ。私から少し話はしておくから。」
「で、でも、迷惑じゃありませんか...?」
「んなもん気にすんな。探偵社は暇人の集まりだしよぉ。」
何気に貶しているけれど、成る程。
探偵社、と言うからにはきちんと話は聞いてくれそうだ。それにこのまま気持ちの悪い思いはしたくないし。
名刺を受け取って、太宰さんに頭を下げる。
「ありがとうございます!早速明日行ってみます!」
「うんうん!迅速な解決を求めたほうがいいよ!」
「この話は終わりだな...、んなら今日は家まで送ってやるよ。」
わからなくても怖いだろう、といって翻す姿はとても頼もしくてかっこいい。2人の優しさにジーンと心があったまるのがわかる。
「っ..、本当にありがとうございます!」
「良いってことよ。」
「さ、帰ろうか!」
「はい!」
マフィアの人と探偵社の人に挟まれながら帰るのは新鮮だけれど、これはこれで凄く安心する。なんてったって何方もその世界では有名な人らしいし、物凄く強いらしい。
中原さんは体術に長けていて、太宰さんは頭脳に長けている。
この2人がペアを組めば最強に違いない。
....まぁ、それを口にしたら2人して変な顔するからしないけれど。
この日はそのまま何事もなくただひたすらに会話をして帰宅した。また今度2人とお喋りがしたいと話したら、こいつと一緒なら断ると何方も同時に叫んだ。
仲が良いのか悪いのか、私は苦笑いをしてその場を後にした。
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