第1章 ─ N × A ─
ニ「...き!雅紀!」
「んん〜?にの?...」
2人だけの時の雅紀呼びが心地いい
でも何で俺、ニノに...?あ、俺あの後...
自分の置かれた状況をまだ覚醒しない頭で理解する
自分では気付かなかったけど、実は疲れていたらしい俺の身体
ドラマの宣伝もひと段落して大丈夫だと思っていたのに、車で眠りに落ちていたみたい...
忙しいのにいっぱい迷惑かけちゃったなあ
確かニノは明日早朝からロケのハズ...
今日のところは帰った方がいいよね?
「今日はごめんね?んじゃ
ニ「帰るとでも思った?」
一瞬時が止まったようだった
...何を言ってんだろうこの人は?
なぜか少しわるい顔をしているニノ
間違ったこと言ったかな?
ニノがため息まじりに話し出す
ニ「あなたの事だから、俺に気ぃ使わせて悪かったとか思ってるでしょ?しかも明日ロケだから迷惑かけられないとか思ってるよね?図星?」
「ア、ハイ」
全て見抜かれてたんだ...
ちょっと恥ずかしくなって眠気も覚める
ニ「俺別にあなたみたいに朝苦手じゃないし看病位出来るし、風邪なんだから大人しくしてて」
優しくされてもらってるのか貶されてるのかはわからないけれど、少しその言葉は嬉しかったりして
疲れているらしい身体が、甘えたがっていた
「んじゃ、お願いします...」
ニ「はい、よろこんで♪」
家に入れるとすっかりご機嫌で、自分ちのように勝手にせわしく動き出す
そんなニノが健気で可愛らしくて、しあわせな気持ちで眺めていた