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【WJ】短編 -2-

第10章 【甘】ヒーロー失格/切島鋭児郎


「逢崎大丈夫だった!?」


 珍しく慌てた様子で私の元に駆け寄ってくる耳郎。そんな耳郎の姿を見て私はその場にへたりこんだ。


「耳郎…。私、またやっちゃった。」
「え?何?」


 寄ってこられるとツンとしてしまう。だって仕方ないじゃない。猫なんだもの。
 私より遅れて出てきたオールマイトと切島くん。それに麗日と梅雨ちゃんが、私を咄嗟に庇った姿がヒーローっぽくてカッコよかったと、声を掛けているのが聞こえた。私もあんな風に素直に自分の気持ちを口に出来たらいいのに。自分の取った行動への後悔と、至近距離で見た切島くんの真剣な表情に耳を下げたり尻尾を立てたり。それに気が付いた耳郎にドンマイと声を掛けられた。


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