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【WJ】短編 -2-

第9章 【甘】及川徹の策略/岩泉一


 漸く神社の境内へと続く坂道を登り終え、携帯で髪が乱れてないかチェックし、手櫛で乱れた前髪を整えた。携帯を巾着にしまい、待ち合わせ場所である鳥居の方へ歩き、鳥居の前で、腕組みをしながら立つ岩泉の姿を見て、思わず声が漏れた。てっきり岩泉は私服で来るもんだと思ってた。紺色の浴衣に身を包んだ岩泉があまりにも男前過ぎて、声を掛ける事が出来ず、ただ、その姿に見蕩れてしまった。すると、私の視線に気付いたのか、岩泉と目が合った。人混みを掻き分け、こっちに向かってくる岩泉。


「浴衣着てたから一瞬誰だか分かんなかった。」
「へ?あ、うん。折角のお祭りだし、たまにはいいかなって思って。」
「んじゃあ、行くか。」


 さっと私の手を取り、歩き出す岩泉。
 まさか岩泉の浴衣姿が見られるなんて思わなかった。だから驚いた。凄く似合ってるし、いつも以上にカッコよく見える。なんか、本当にデートみたいだ。取り敢えず腹ごしらえという事で、適当に食べ物を買い、焼きそばを頬張っていると、不意に声を掛けられた。

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