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順番

第2章 扉





その日から、ご飯も食べずにあたしは、やせ細った


生きてる心地がせんかった



水さえ飲みたくないと旦那に言うた





何日たったかわからん。



旦那は、家を出た






あたしは、死のうって思った



キッチンへ行って、包丁に手を伸ばした





その時、家の電話が鳴った





鳴り続ける電話にあたしは、出た




『はい・・・』


「会いたい」






その声は、間違いなく





すばるの声





『すばる・・・ごめん。・・・もう会いたくない・・・』





あたしは、電話を切った





再びキッチンへ行き、迷わず包丁を手にした



手首に当て、切った








そこからの記憶は、無い






気付いたら、病院のベッドに居てた




点滴を繋がれて






生きてしまった





そう思ってたら、外から声が聞こえた





その声は、すばると旦那とあたしの両親




すばるは、「すみませんでした」と何度も謝ってた


旦那も同じように言ってるから、両親に対して謝ってんやろな


って、思った




自然と涙が出た






泣いてたら・・・





「すばるくん。お腹の子は、どうするの?戸籍上は、すばるくんの子じゃなくて・・・」






え?子供?





あたしは、頭が真っ白やった






しばらくして、看護師さんがお静かにと言うと




病室のドアが開いた






母「!!目覚めた?良かったわー・・・」


『ごめん。』


母「・・・あのな・・・」


『お腹の子って、どういうこと?』


母「妊娠してんやって。3ヶ月」


『・・・』


母「どうするか、相談し・・・」


そう言うと、病室を出て行った




旦那とすばるが、椅子に掛けて黙ったまま俯いてた




『ごめんなさい・・・』


すばる「良かった。生きてて」


旦那「堕ろせ」


『嫌です』


旦那「子供のこと考えて言うてんか?」


『考えてる。別れて下さい。』


旦那「別れへん。」


『出て行ったやん。』




旦那と初めて言い合った




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