• テキストサイズ

【HQ東】君の相手をこの俺に

第5章 最後の思い出2


『今日は祖父のとこに泊まって、明日帰るの』
と他校と共に見送ってくれた名。良くも悪くも名が怪我をした事に気づかず試合に集中出来たおかげで梟谷との試合は良いものになった。そして、木兎を思い出すのと同時にBBQの時に木兎と仲良くしている名を思い出せば、頬をつつかれても平気そうにしていたのに自分の時はなんだったのだろうかと思う。それにクラスでの物静かな雰囲気とは違い、あんなに元気な姿を見るのは初めてで少し驚いた。帰宅し、残りの夏休みは家と体育館をひたすら行き来して、森然から帰ってきてから名に会うことはなく、備えていた春高バレー宮城大会代表戦の扇南と角川戦に勝利した。やっと一つ進んだ試合は進めば進むほど強い奴らを目の前にしてだんだん遠くなる気がして、行き先が霞んでしまいそうになる。
「あ、またネガティブな事考えてる」
「いや!ないないない。そんな事ないぞス··ガ···」
そんな事を考えながら練習に向かう途中、ばればれの思考を言い当てられ言い返すと
「菅原と声似てないと思うけど」
と笑う名の姿。
「うわ、わっ、名っ!どうして学校にっっ」
「今日は先生が部活の日で、家庭科室を開けてもらえるの」
と嬉しそうにしており
「森然の事ごめんね。内緒にするつもりはなかったんだけど」
と申し訳なさそうに言った。
「あぁ、驚きはしたけど気にしてないよ」
本当に驚きはしたが。
「ならいいんだけど、やっく、あ夜久がね。東峰がピリピリしてたって言うから」
あーもぅ、他校にも知られているなんて最悪だ。
「いや、まぁ、試合続きだったしな」
とごまかす。
「そっか。そうだよね。あれキツいよねずっと試合だもんね。今年は烏野のおかげで個別練の時間あったけどさ」
「あぁ、そっか。今までは長い休憩なしか。きっつ」
でしょーと笑う名にあの練習を思い出し、あれよりキツいとは、自分達はまだまだだなと笑ってしまう。
/ 54ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp