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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第1章 監獄への招待




***


 オーダー表を見せて、全員に話し掛けた。約1名が、「ゲッ、コイツも一緒かよ……」等と漏らしていたが、思ったよりも反発は少なかった。すぐに終わる、簡単な任務の護衛役、というのも、大きかったのかもしれない。結果、ほぼ全員がすぐに二つ返事だった。相性や性格が合わないということはあるのかもしれないが、結局のところ、お互いがお互いの凄さを認め合っているからこそなのかもしれない。だからこそきっと、私のような半人前の魔術師でも、マスターが務まるのだと思う。5人には、先に管制室へ行ってもらった。あとは、私がコフィンへ向かうだけ。

 早く帰ってきて、マシュと甘いものを食べながら、お喋りでもしようかな。そんなことを考えながらも、気持ちはレイシフトへ向けて、切り替えていく。そう、いくら危険性の低いオーダーだからと言っても、私ひとりでは、確実に死ぬ。エネミー1体だって、満足に倒せやしない。攻撃も、ただの1発だって防げないかもしれない。非力な私は、協力してくれるサーヴァントがいなければ、戦闘になればすぐに死ぬ。そもそも、カルデアのバックアップが無いと、満足に契約関係すらも継続できない。魔力量だってたかだかしれている。それが、半人前魔術師の私の、紛れもない実力程度。だから、気を抜いちゃいけない。


「……、よし。」
 気を引き締めて、コフィンへ向かうべく、廊下を歩く。そこで、不意に声を掛けられた。
「気合が入っているな、マスター。」
「……?」
 振り返ると、そこには、巌窟王の姿があった。
「アヴェンジャー。」


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